2009/04/29

評価制度の運用について

422-1220979453yjiz評価制度の運用について

仮に正しく人事制度がVMS(会社の理念・使命・戦略)に起点をおいてロジックが構成されていて、ペイ・ライン(全社的な給与水準)も妥当に設定されたとしても制度の運用において「公平性」がないと無意味だという議論がされることがあります。たとえば、そもそも部下の実績を評価する上司が、無能な上司では公正な評価ができるはずはないという意見があります。

はたして、公正かつ公平な評価とは。

しかし、この問題は、無能な上司に評価されたくないという部下の「気持ち」は別にして、そもそもその上司を評価する上位の評価者が当該上司をその椅子つまり「役割」にふさわしいと判断したかどうかに関わる問題でしょう。もし本当に無能ならそのさらに上位者上司の責任で人事と相談しその役割に相応する人材をあてはめなくてはいけない問題なのであって、評価制度に関わる問題ではないのです。

部門間の評価すり合わせについての疑問

また、別の部門の評価者は甘く評価し自分の上司の評価が辛いから上司間で協議し評価基準の統一的運用のできるようすり合わせしてほしいし、それがないと不公平だという意見も散見されます。人事評価の際に、「部門間調整会議」などをする会社はかなり多いのが実態でしょう。そこは評価者同士、部門長が集合して、そちらは甘い評価だの、こちらは辛くしすぎただのの、場合によっては、スコア(達成度合)の貸し借りがされたりの、土壇場議論がなされる場所なのです。

目標設定のS.M.A.R.T.さについて

しかし、そもそも部門ごとに具体的目標設定を行う際、S.M.A.R.T.に決めたかどうかがまず問題です。SMARTとは、Specific, Measurable, Achievable, Relevant, TimelyというS.M.A.R.T.の原則です。すなわち、具体的目標として何を、どのくらいのインプットでどのくらいの実績が達成可能かを第三者に説明可能な形で、しかも、いつまでに結果を出すのかを明示して目標設定しましたか?が問われているのです。それをあらかじめ記述しておくことによって、事後的に当該目標がどのように達成されたか(されなかったか、どこが足りなかったか)がわかるようにするのがこの評価制度の運用の骨子ですから、そもそも当該部門の成果のチェックについて他の部門とすり合わせする必要などないのです。ここが誤解されているゆえんです。


この記事に関するコメントを行う

お名前
メールアドレス
ウェブサイト
コメント:

企業人事に関する情報交換・質問&回答掲示板

人事マネジメントフォーラム情報交換・質問&回答掲示板
「人事マネジメントフォーラム」では、企業人事のプロフェッショナルの方々の情報交換と交流の場として、「情報交換・質問&回答掲示板」をご用意しております。
人事マネジメントフォーラム情報交換・質問&回答掲示板

スポンサード リンク

HR倶楽部

HR倶楽部

HR倶楽部
HR倶楽部は、外資系企業、人事プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティです。会員制サイト(SNS)として、会員だけが閲覧や書き込みをすることができます。

Go Top