2009/04/29

人事部の役割

311-1216983920ku0z人事部の「役割」
人事制度の透明性を記述化することで確保することは、事後の運用場面でも決定的に重要となってきます。人事制度は人事部が専権で作成し押し付けたものではないからです。

人事部の戦略的役割を再点検する。

そこで企業の人事部の担う「役割」自体も再点検が必要となってきます。

人事部の役割としては、企業の戦略に合わせ、前述の人事制度体系を提案、建設、維持し、運用する責任部署ですから、経営の一部門としての位置づけは大きいものがあります。その意味で企業の全社事業計画の一部には、人事部の仕事も含まれてくるのです。

経営部門としての人事部

① たとえば、人員計画のとりまとめ、現場の要請にあった戦力たる能力・スキル・マインドセットを持った人をどのようにいつまでに何人採用すべきか、という課題は、企業の全社年度事業計画の重要な一部です。人事部はそれに対し遂行責任があるしPlan-Do-Seeを行わなければならないのです。

② また人事部一名あたりの従業員数などの人事部としての効率性指標をいくつか発案し、かつ自分でモニタリングし取締役会に報告していくことも人事部の役割でしょう。

③ 人事部は同じ人件費を使いながらいかに最大限のやる気を社員から引き出すか、そういう仕組みや文化を考案し提案し運用することもその役割にはいってくるでしょう。特に「社会人モデル」から個人の私生活とのバランスをいかに保っていくかについての仕組みの提案も人事部の新しい役割に加えるべきだと考えます。たとえば余剰資金があるときにボーナスという金銭的インセンティブに使用するべきか、それともworkplaceの大改装に使用して職場のモデルチェンジをすることにより快適性を一新するか、それとも社員家族を招いてのFun Dayをイベントして行い家族に会社として感謝の気持ちを示すかなどその使途として十分選択肢を広くみなければならないでしょう。カネには人は慣れてしまうものです。一人のやる気を引き出すだけではなく、職場のみんなのやる気を引き出すためにカネを使うならむしろ非金銭的なカネの使い方も人事部の腕の見せ所でしょう。逆にいえば、そのような腕をどう見せたかが人事部の評価につながるのです。

人事部のお仕事

もちろん、採用、定年などおよそ雇用に関わる事柄、健康保険など社会保険、毎月の給与の支払などの日常の「人事部のお仕事」が会社運営上非常に重要なことは、いうまでもありません。これはいわゆる労務コンプライアンスでもありますから、日々変わる規制と法律、新しい運用等についてつねに最新知識を取り入れ、違法ないし不適当な処遇をすることの絶対にないようにしなければなりません。労務コンプライアンスを破ると、たとえば、「名ばかり管理職」問題だとか「残業手当不払い」など、社会的耳目をそばだてるスキャンダルに発展するおそれもあり、ルーティンワークだからといって決して軽視はできないものです。

社員教育は人事部の役割?

社員教育(特に最初のオリエンテーション)は、人事部のサービスとして行うことはあっても、実際上、人事部の役割ではなく、自社の社員教育は現場部門(長)の役割です。会社の理念・使命・戦略にふさわしい現場教育を行うのは、現場であって、人事部はそのお手伝いをするにとどまるのです。


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