2009/04/29

役割定義書の作り方のポイントとは。

87-1205062043qqop1役割定義書の作り方のポイントとは

役割定義書は、なぜ重要なのですか

この役割定義書のもつ意味は非常に大きいといえます。なぜかというと、経営者のガバナンスの効き具合を表現しているからです。ステークホルダーから経営の委任を受けた経営者が経営をする際に、事業目的の実行部隊である「組織」が合理的に設計されていることはコーポレート・ガバナンスの基本です。

さらにその設計された組織が正しく機能し、その結果予定された事業目的を達成したかどうかが検証されなくてはなりません。バランストスコアカードの4つの視角から定義された目標を達成するために、それぞれの目的に適合した役割定義をほどこした組織が、正しく予定されたアウトプットをなしたかどうか、その実行責任もまた経営者にあるのです。設計だけでなく設計どおりの性能を発揮したかどうかが問われます。これが「本当の意味での」成果主義ということになるでしょう。

成果の出る役割定義書を作る方法

この成果を出すためには、役割定義書の決定にいたるプロセスがたいへん重要です。役割決定は経営者ひとりが行うものではありません。とくに中間管理職や部門長といわれる管理職層が、自らの役割として(だから管理職といわれます。)この役割決定プロセスに積極的に参画する必要があります。そして、自律的に自己の部署の使命を4つの事業目的に「紐付け」する作業を行い、貢献度を表現する努力をすることが必要です。

なぜなら、そうして初めて自己認識として自分の部隊の役割と目標について、しっかりした動機づけがされるからです。それをオーナーシップをもつといいます。

コミットメントのある役割定義書

役割と貢献度合はその組織に与えられたものであってもそれを自覚しみずからのものとして心から納得してはじめて動機付けられます。このプロセスの中で初めて、組織を構成する人間(特に管理職)がvisionに共鳴し事業計画にもコミットすることとなるのである。この管理職層のオーナーシップを獲得できるかどうかが、コーポレート・ガバナンスを実行できるかどうかの分かれ目となるのです。

コミットメントが得られない場合はどうしたらいいのでしょう

この役割決定・確認プロセスの中で、与えられた定義に納得できない人間が必ず出てくるものです。定義は誰がしたとか、この事業目的にどういう意味があるかとか、もっと別の定義が可能ではないかという疑問さえだされることがあります。

これは実は、定義が経営者(社長ないしCEO,最高経営責任者)に由来することを否定する発言でありネガティブな質問です。この場合、社長がコミットメントがなかなか得られない管理職にきちんとみずから「紐付け」し論理的に彼(彼女)を説得できないなら、その時点で、その社長のコーポレートガバナンスは実効性を失っているといえるでしょう。

その場合は、この管理職は目的実行に不適格であるので職を辞するか異動するか、あるいはCEOが職を辞するかどちらかの選択肢しかないはずです。これが理想の組織であるはずです。そうでないと定められた期間内で定めた事業目的を実効的に達成することができないからです。

ところが、実際の企業では、人間関係が毀損するのを恐れ、往々にしてこの議論を避けたり、無視したりすることあるのです。そして、それが社長のガバナンスコントロールを効かなくする最大の原因となっていることも多いのです。そのようなコントロールを組織として効かせることができない社長は、経営委任をしている株主からレッドカードを出される可能性が高いというわけです。このように、役割定義のプロセスは、コーポレート・ガバナンスの手続、そのものといってもよいのです


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